エース夢
おれは絶対お前を逃がしたりしねェ
たとえ
お前が涙を流して
おれに許しを請うとしても
そんなもんは
意味がねェことなんだよ
いい加減、理解しろ
お前の意思なんて関係ねェ
ただおれがお前に惚れちまってる
それだけだ
なぁ?
・・・
* Prisoner *
広い広い海原に
ついさっきまで快調に、波を突き進んでいたであろう海賊船の残骸と、
やけに騒がしい船が一隻。
「飲め飲めっ!」
「勇敢に立ち向かったわりには
一撃で沈んじまった名もない海賊団に
カンパぁ〜〜イっ!!!」
「だっはっはっは!!そう言ってやるなっ。
俺達白ひげに立ち向かってったんだからよぉ」
「それはしょうがねェ話だよなぁっ」
「おいっ。酒が足らねぇぞっ。」
「お前っ、さっきおれを足蹴りにしただろっ!!」
「歌え、歌えーっ!!」
もはやこうなってしまった海賊達は朝まで宴を続けるだろう。
白ひげ海賊団に無謀にも立ち向かっていった海賊船を
一瞬にして焼き払ったのは
他でもない、白ひげの二番隊隊長、ポートガス・D・エースだ。
いつもなら人一倍騒がしいエースが
何故だか今日は騒ぎもせず、静かにお酒を飲んでいた。
しかも眉間には深〜いシワ付きで。
そして渋い顔をしたエースと向かい合わせで、
もっと渋い顔をして座っている女が一人。
彼女の名前は。
この船に乗る前は女海軍として
悪さをする海賊どもを捕まえてきた。
そこらの男どもより腕が立つは
仲間からも信頼され、上からも可愛がられていた。
海軍として一人前に仕事が出来るようになるまで
毎日毎日、雑用と血の出るような特訓。
一人のちっぽけな少女がそれに耐え、
その特訓より悠かに厳しい海軍としての仕事をこなしてこれたのは
と同じ時期に海軍に入隊し、同じように階級を上がってきた、
リョウという青年が自分を支え続けてくれていたからこそだった。
リョウとは年が近いせいもあって、特別仲が良かった。
というよりも、にとっては誰よりも大切な人だった。
リョウの為、自分の命を顧みず敵に突っ込んでいったことも何回かあった。
リョウのためだったら何だってやれる。
それがのリョウへの愛の形だった。
だが、
そう思っていたのも、
相手を愛していたのも・・・・・・・
「おい」
重い口を開いたのはエースだ。
「何で逃げようとした?」
「・・・・」
「何とか言えよ」
「・・・・」
「」
大げさに溜息をつくと、エースは酒瓶に手を伸ばした。
「いつだか忘れたけどよぉ、
おれがお前に言った言葉覚えてるか?」
あのおちゃらけたエースがいつになく真剣な表情で再び口を開いた。
の体がピクリと動く。
その反応を見逃さず、エースは言葉を続ける。
「おれはを一生離したくねェって、
をおれのものにしてェって言ったよな?」
「・・・・」
の表情が揺らぐ。
「の返事、
おれまだ聞いてねェけど?」
愛していたその人に
愛されることは
一度もなかった。
荒れ狂う波。
轟く雷鳴。
甲板に叩きつけるように
力強く降る雨。
達の船は、この嵐のせいで大佐が乗っている船とはぐれてしまっていた。
乗っているのはとリョウの軍曹をはじめ、
あとは居てもまり役に立たない二等兵や三等兵ばかりだった。
そんな時運悪く出会ってしまった、
現在誰よりも海賊王に近い男が乗っている、白ひげ海賊団。
勝敗は判りきっていた。
しかし自分が海軍である限り、
ここで尻尾を巻いて逃げるなど出来るはずは無かった。
いや、そんな事はしたくなかった。
慌てふためく兵達を叱咤し、白ひげの船を追いかけるよう指示した。
その時
スタン と、
軽やかに海軍の船の甲板に降り立った一人の男。
海軍ならその男を知らない者はいないだろう。
白ひげの二番隊隊長、火拳のエース。
エースはニヤリと不敵な笑みをうかべながら
海軍が動き出すのを待っているようだった。
もはや、私達に訪れるのは「死」だけだと
連想させるには十分すぎる笑いだった。
今にして考えると、
エースにしてみればこれはただの暇潰しだったのだろう。
海軍の船一隻など、乗り込まなくともエースの力を持ってすれば
一瞬で木端微塵にできるのだから。
だが、その時のの考えは甘すぎた。
火拳のエースがたった一人で、今目の前に居る。
いけるっ!!
甲板に降り立ち、身動きしないエースには勢いよく飛び掛る。
「ぅおっと」
ニヤニヤ笑いながら軽くその攻撃をかわし、
グイっと手を後ろに捻じ曲げられてしまった。
「ぅああっ!!」
「へぇ、海軍にこんな若い女もいたのか」
痛みに顔を歪めるの顔を舐めるように見るエース。
「離せっ!!」
エースの視線がいかにも汚らわしいものだというように
はその視線から顔を背けドスの効いた声で叫ぶ。
「おお、怖いねぇ。
せっかく可愛い顔してんのに台無しじゃねェか」
のどの奥でくくっと笑うと、エースはさっきとは少し違う笑みをひろげた。
「ふざけんなっ!!こンのっ!!」
なんとかエースの手から逃れようと
何度も強力な蹴りを繰り出すに
「じたばたすんなって。
お前だっておれに捕まって生きて逃げられると思っちゃぁいねェだろ?」
と、まるで大人が小さな子供をあやすように話しかける。
キッと、は鋭くエースを睨む。
「アンタに殺されるくらいならっ、
今ここで舌を噛み切って死んだ方がましだっ!!」
敵を一歩も動かすことも出来ず
一撃も食らわすこともできずに
殺されるのを待つくらいなら
今ここで・・・っ!!
覚悟を決めた瞬間
「おいおい、今ここで死なれちゃぁ困るって!」
少し慌ててが舌を噛まないようにエースは自分の指3本分
をの口に突っ込んだ。
「ふぐっ!?」
突然のことに一瞬動きが止まっただが
今自分の口にエースの指が入っていることを理解すると
思いっきりエースの指に噛み付いた。
その行動を無視し、エースは動くことも出来ない他の海軍達に向かって言い放つ。
「コイツはおれが連れてく。
黙って見逃してくれれば、てめェらには手は出さねェ。
・・・だが、見逃してくれねェってんなら容赦はしねェ」
この時、
溢れ出す絶望感の中で
少しだけ期待していた。
がしてきたように
同じように、
リョウが自分を救い出してくれるのではないかと
「まっ、待てェっ!!!」
その時動いたのは、
最近、二等兵になったばかりの
少し肌が黒い青年。
他に
動く者はいなかった。
「さぁ、
まだ海軍に戻ろうとしてんのかよ?」
仲間一人救え出せねェヤツらのどこがいいのかねェ
エースは酒をコップに注ぎながら
自分には理解出来ないというように、静かにそう呟いた。
ここに来たばかりのは誰とも口をきかず
抜け殻のようにただ海を眺めることしかしなかった。
その様子は心底傷ついた捨て犬のようで、
エースはどうしても放っておくことは出来なかった。
というか、エースは初めて会ったあの日から
のことが気になって仕様が無かった。
その感情は「一目惚れ」という言葉が一番近いかもしれない。
暇があればの部屋に向かい、
五月蝿いと言われようが、
出てってと言われようが、
飽きることもなく、愛想を尽かすこともなく
に会いに部屋を訪れた。
海軍をしていても所詮女だ。
毎日のように海賊どもに犯されて、
身も心もボロボロになった頃に
どこかに売り飛ばされるのだろうかと考えていたには
エースの態度には少し戸惑うものがあった。
嵐になれば、こんなもん明日になる頃にゃぁ通り過ぎるんだぜ。
と、豪快に笑いながら朝までそばにいてくれた。
(というか、追い出そうとしても意地でも動かなかった。)
敵の海賊の下っ端がの部屋に乗り込んで来た時も
真っ先に飛び込んで来て助けてくれた。
その後、思いっ切り抱きしめられたりもした。
エースの行動には振り回されっぱなしだった。
でも、
いつからだろう。
気付いた時にはエースのそいう行動が
なぜだか、
鬱陶しいと感じることがなくなっていた。
いや、むしろ・・・・
そんな時だった。
エースにこの言葉を言われたのは。
「もう、気づいてると思うけどよ・・・」
「ん?何のこと?」
「ぁあ・・・、だからよ・・・」
「だから何よ?」
「・・・・・」
「さっさとしゃべってよ。時間の無駄よ」
「おれ、ずっと前、つか、おれ達が会った時のこと
覚えてるか?」
「思い出したくもないわね」
の態度にくくっと苦笑すると、
エースはいつもの調子を取り戻したようで
今度はハッキリと
にあの言葉を
さらりと言ってのけた。
その時からよ、
ずっと思ってたことがあんだ
お前を一生離したくねェ
お前をおれのものにしてェ
心も・・・
身体も
ってよ
それから3日後、敵襲に遭い
その隙に
は脱走した。
そして
1時間もかからずエースに発見され、
今に至る。
何もしゃべろうとしないに
少しずつ苛立ちが募るエース。
の気持ちが自分の方に動いていることを確信していたエース。
だからこそが脱走したと知ったとき、
一番ショックを受けたのはエースだったのだ。
眉間のシワが次第に深くなる。
「何とか言えよ。」
「・・・・」
は俯いたまま、何も答えない。
「いい加減にしろよ」
小さく舌打ちすると、
いつもより数段低い声でエースが呟く。
「エー・・・」
さすがにヤバイと思ったが口を開きかけた、
その時には、
もう の口は
エースによって塞がれていた。
「ンっ!?」
エースは乱暴にの唇を貪る。
何度も何度も角度を変え、
の舌を追いかけ、捕らえ、
絡ませる。
「ぁっ・・ンンっ」
自然と酸素を欲しがるの口から
声が漏れる。
おい、。
お前ぇ、そりゃ反則だろ?
そんな声聞いちまったら
止めるに止めれなくなるじゃねぇか
「っちょっ・・ンっ、」
の体の力が次第に抜けていく。
崩れそうになるの身体を
エースの大きな手がしっかりと支えている。
乱暴なキスに対し、
の身体を支えるエースの手は
壊れ物を扱うように
とても優しく、暖かかった。
エースにキスをされて、
いや、されるずっと前から
の気持ちは決まっていた。
もう決定的だ
海軍だった自分が
天敵の海賊に
しかもこんな自分勝手なヤツに
人生で二度目の
恋をしてしまった
エースのあの言葉を聞いたあの瞬間から
ハッキリと自覚してしまった
あたしがこの男を、
愛してしまっているということに
あたしはすぐにその考えを心から掻き消そうとした
でも、一度気付いてしまった気持ちが簡単に消えるはずもないことは
身に沁みて分かっていた
ヤバイ
コレは非常にヤバイ
離れなければ・・・
アイツから少しでも
一分一秒でも長く、
離れなければ・・・・!!
そしてあたしは逃げ出した
エースから
そして、
自分の気持ちから・・・
けれど・・・
逃げる前から、・・・いや、
おそらく捕らえられたあの瞬間から
分かっていたのかもしれない
アイツから
逃げられる術なんて、ないってことに
・・・
もうお前の意見なんか聞かねェ
お前がおれをどう思ってようがなぁ、
おれはお前にどうしようもなく惚れてんだ
もう、二度と逃がさねェ
もう二度と
離さねェ
fin

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無駄に長ぇ・・・・(V‐V;)(爆)
ぁあ、もうホントに文章が下手で下手で
ズビバゼン・・・っ!!!
エースなの?これ。
ほんとにエースなの????
なんか口調がよくわかんないよぅ
駄作だよぅ
かっこいいエースが書きたいYO♪
ていうかぶっちゃけ、
リョウなんてキャラ出さなくたって
よかったんじゃ・・・・
ま、いっかぁ(●^v^●)
(いいんかいっっ!!!!)