ふつふつと
心の奥底から
湧き上がってくるような
物凄く甘ったるいような
少し甘酸っぱいような
不思議な
不思議な
この気持ち
* 未発達の心 *
「ぅおーーーーーいっ!!ーーーーーーーっっ!!!」
船が震えるような大声で
でも決して不快ではないその声で
この船の船長が叫ぶ。
「たくっ うっさいわねぇ。毎度のことながらっ」
航海士が紙にペンを走らせながら文句を言う。
「、嫌ならあのバカには正直に言ってやったほうがいいわよ!」
顔だけをの居る方に向けながら、航海士はそう言い放つ。
「ふふ。ちょっと行って来る」
航海士の言葉に苦笑しながら
女部屋を出るこの少女は
ここの海賊団の音楽家だ。
少女の名前は。
この世界の何処かにあると言われている
楽器で出来ている島、
『インスツルメント島』を探すため
この海賊団の音楽家として
一緒に航海しているのだ。
が仲間になってから約1ヶ月。
海の上の生活にも慣れ、
ここのクルー達とも溶け込んできた。
ナミやロビンとは女同士ということもあって
一緒に話すことも多かったが
この船の上で一番にを独占しているヤツ。
それは・・・
「おい。なんだよ。遅ぇじゃねェかよぉ」
「遅いって、ルフィ、これでもあたしすぐ来たつもりよ?」
少し拗ね気味の顔をした船長はの言葉を聞いた瞬間
そっか、だったらいいんだ とすぐまたいつも通りの笑顔に戻って
は足遅ェからなぁ と付け足した。
ルフィが速すぎなんだってば と思いながらも、
ルフィの言うことには何の悪気もないから怒る気も失せてしまう。
「なぁなぁ、またあの楽器吹いてくれよっ」
ししし と笑いながらルフィは楽器を吹くように催促する。
「しょうがないなぁ」
と言いながらもは満更でもない様子だ。
楽器を吹いたり弾いたりするのは、自分が音楽家なので
もちろん嫌いではない。
それに自分が音楽を奏でることで人が喜んでくれるのだから尚更だ。
「それじゃぁ、いくよっ」
息を吸い
は目を閉じ自分が初めて作曲した曲を吹き始めた。
ルフィがこの曲を特に気に入っていることをは知っていた。
この時ばかりはルフィも目を閉じ
が奏でる音楽に耳を澄ませる・・・
・・・はずなのだが、
この時のルフィは なぜか
いつもと違っていた。
じぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ
(う゛・・・・・・・・っ)
目を閉じていても感じる
熱い 熱い ルフィの視線
どこか間違えたのだろうか?
いや、あたしに限ってそんなことは・・・・
一体何なのだろう?
この熱いルフィの視線は
(あ、熱い・・・・・)
何だろう?
体が熱い
ルフィがあたしのことを
見ているというだけで
こんなにも体が熱くなる
「るっ、ルフィっ!!」
「あ!?」
居たたまれなくなったは楽器を吹く手を止めた。
「なっ、何でそんなに見てくるの?」
声が裏返る。
「見ちゃ悪ぃのか?」
「だって、いつもはもっと黙って・・・」
「オレ黙ってたぞ?」
「ぅ・・・・・・。」
黙り込むあたしをルフィは覗き込むように見て
ためらいもなく、こう言った。
「だってよぉ、見てたくなっちまったんだからしょうがねェだろ?」
「へっ?」
突然のルフィの言葉に
間抜けな声を出してしまった。
「なんかよ、楽器持ってる時のってさ、なんかこう、キラキラしてんだ。」
「そ、そう?」
戸惑うの言葉を
聞いたか、聞いてないのか
ルフィは興奮したように話し続ける。
「でよ、そういう時のってよ、すっげェきれいなんだ。
んで、なんか心臓がすげェ煩くなるんだ。
よく分かんねェけどよ、ずっとずっと見ていてェって思ったんだ!」
ルフィが話終わった後
顔を真っ赤にしたが
ルフィにかろうじて聞こえるような声で
戸惑い気味にこう言った。
ねぇ ルフィ
それって つまりは
どういうことなのよ?
ん?
だからよ
見ていてェってことだっ! (どーーーーーーーーんっ!!)
分からねぇヤツだなぁ は
少し呆れながらルフィはのおでこをズビシッと
人差し指で突いた。
「ぁいたっ!!」
うぅ〜〜〜 とうなりながら
涙目でおでこおさするを見て
ルフィはおかしそうに しししっと笑った。
ルフィの
いつも通りのその笑顔が
あたしの中で少しだけ
違って見えた気がして
ずっと見ていたいという、ルフィの気持ちが
ほんの少しだけ
あたしにも分かったような気がした
不思議な
不思議な
この気持ち
この気持ちを
何と呼ぼう?

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ぁあ〜〜〜〜〜
初ドリームだよぉ〜
我らが船長ルフィだよ〜w
甘甘にしようと思ってたのに
まだ恋に発展してない段階の話だし
っていうか、島の名前安易すぎだし(汗)
う〜む。頑張らねば!!