ぁあ、もう、ほんと・・・
なんて前途多難な恋でしょう
* I am a GIRL *
あなたの周りには私の数十倍
かわいくて、美人で、ナイスバディな女の人が二人もいて
(・・・まぁその人たちは、アンタのこと到底相手にしてないって感じなんだけど)
それでも、あなたはいっつも目をハートにして
彼女たちに尽くして
なのに、
なのになんであたしにはルフィとかウソップと同等の扱いなんだよ!?
信じらんないっ!!
あたしだって女だよ!?
・・・・・い、一応・・・
そりゃ、ちょっとサバサバしてるとか、男の子っぽいとか、
言われてたりもしてたけど・・・さ
胸だって、決して小さくはないだろ?
・・・・大きくもないけど
別に見かけなんてどうでもいいんだって!!
とにかくっ!!
あたしだってアンタに優しく女の子扱いされたいのっ!!
少しはあたしの気持ちも分かれ!!!
この、バカ眉毛っ!!!
「ナ〜ミすゎ〜んっ、ロビンちゅわ〜ん!!待ってて下さいっ。
今すぐ本日のおやつをお持ちしますからね〜〜っ!!」
「あ〜〜もう。暑苦しいヤツ」
今日もまたいつもの光景にウンザリしながら
ゾロの隣でトレーニングしていたは呟く。
そんな言葉が聞こえたのかサンジはの方を見ると、
「おい、持ってくの手伝えっ」
と、手招きする。
はナミやロビンと自分に対する態度の違いに少しムクれながら口を開く。
「私ペンより重いもの持ったことがありませんから無理ですわ、サンジさん」
「ダンベル持ちながら言うセリフかよ」
「レディには優しくがモットーだろぉ?」
「お前がレディって玉か?」
「なんだってぇ!?」
「いいから来いって」
そう言ってキッチンに姿を消すサンジ。
「・・・あ〜もうっ!!」
渋々ながらも後を追う。
「どれ運べばいいの?」
ムクれながらもちゃんと運びに来たに
サンジは軽く笑いながら机の上にあるモノを指差す。
「何笑ってんの?気色悪い」
「気色悪いってお前・・・。いや、やっぱだなってな」
「何それ?」
「いいから、ソレ。右から持ってけ。それナミさんとロビンちゃんのだから」
二人の特別扱いに少しムカっとしながらも、サンジはナミたちのを運ぶだろうと思って
「じゃあ、あたしはゾロに持ってく」
そう言って皿に手を伸ばすと、それをサンジの手が制した。
「マリモのはおれが持ってくから、はナミさんとロビンちゃんの持ってけ」
「ぇえ〜、何で?」
不満と言うより疑問に思って聞き返す。
「いいから、さっさと行け。レディ達が待ってんだろ?」
あたしだってレディなんですけど・・・
「はいはい」
なげやりな返事をしてはキッチンを後にする。
そんな後姿を見て、
「分かってねェなぁ、アイツ」
とサンジは一人苦笑した。
「ねぇ〜え、ナミぃ」
「どうしたのよ?。変な声出して」
「せめて元気のない声と言って欲しかった」
「あはは、ごめんごめん。で?何があったのかしら?ちゃん」
「茶化さないで聞いてよ?」
ぷうっと頬を膨らます仕草をするを見て、ナミは笑いながら頷く。
ナミにとっては妹のような存在。
だからがサンジのことが好きなのも、相談されて随分前から知っている。
あんなに男勝りなが恋の相談のときには途端にしおらしくなる。
そんなをナミは可愛らしいと思っている。
部屋に隠しカメラをセットして、
恋に悩んでるを一部始終録画してサンジに見せてやりたいくらい
と、ナミは真剣にそう思っていた。
それはちょっと勘弁なのだけれど、もナミやロビンを姉のように親っていた。
「だから、一体サンジはあたしのことどう思ってるんだろって、凄く不安なんだ。
女って少しでも見ていてくれるのかな〜?って。
別に今更「ちゃん」付けとかしてほしいとは思わないんだけど、
でもやっぱりこのままじゃ・・・」
「確か、この前はアンタのこと弟みたいって言ってたわよ」
「お、おとうとっ!?
さ、最悪だっ!あの眉毛!!せめて妹とか言えないのかよっ!?」
「あはははっ。まぁ、分からなくもないけどねぇ」
「ナミっ!!」
「そう怒鳴んないでよ、。だって背は小さくて髪はベリショーだしねぇ。
まぁ、小猿みたいでかわいいわよ」
「こざっ!!?」
「ぁあっ!そうだっ。アンタ格好が汚らしいのよ。
あたしが服貸してあげるから、今夜寝込み襲いなさい!!」
「ちょっ、ちょっと待って!話が唐突すぎるし、なんだよ、汚らしいって!?」
「だってそんなボロボロのタンクトップにダボダボのズボンってのもねぇ。
それより何より、ベルトの代わりに紐ってのが致命的よ。
オシャレもへったくれもないわ」
「・・・別に、オシャレしたくて海に出たんじゃないし」
「そりゃ分かってるけど、今は恋する普通の女の子なんだから!
オシャレに気を配ってもいいんじゃない?」
「でもさぁ〜〜・・・」
「いいからいいから。あたしに任せて!
うふふ。面白くなってきたわぁ〜!!」
ナミのやつ、楽しんでんな
こうなったナミを止める術はない。
はこれから自分の身に起こるであろう事を想像し、深い深い溜息をついた。
***
「ちょ・・・ちょっと待って・・・」
「何だよ!?ナミ!あたしの顔どぉなってんだよぉ」
「しゃ、・・・写真・・・・。誰か・・・、誰かカメラ!ウソップ!!カメラ持ってないの!?」
「ちょ、ちょっとナミっ。どこ行くんだよ!?」
「アンタは黙って動かないでそこに居なさい!!」
「なっ!?・・・っせめて鏡見せてよ!」
「ダメ!とにかく待ってなさいっ!!」
「あっ、ナミ〜〜っ」
ナミが出て行って女部屋に一人残された。
アンタきっと見たらすぐ化粧落としに洗面所向かうでしょ?
だから鏡は見せない!
なんてナミに鏡を隠されてしまった。
・・・・でも気になるだろ?普通・・・
だってナミのあの慌てよう
ぁあああ〜〜〜〜ホントにもうどうなってんだよ!?あたしの顔!!!!
よし!今のうちに風呂場に行って鏡見ちまえっ
思ったら即行動のは足音をたてずに身軽な足取りで風呂場に向かって行った。
「しっかしスカートってもんは足がスースーして落ち着かないなぁ」
ナミ一押しのこの薄い桃色のワンピース。
生地は柔らかくサラサラとした感じだが、薄い。
ひだが何層にも重なっていて足を動かす度にフワフワと纏わりついてくる。
その感覚が慣れなくて、早くも脱ぎたいと思ってしまう。
そもそもピンクなんて色、あたしに合うのかよ・と、不安にもなってくる。
けど、少しでもサンジに女である自分を見て欲しい。
サンジの前ではかわいくありたい・と、恋する女の子の思考回路がを支配していた。
風呂場の前に着くと、先客がいた。
シャワーの音と微かに聞こえてくる鼻唄。
この声は、サンジだ!!!
ど、どうしようっ
いや、別にどうするもこうするもないけど
とにかく、部屋もどー・・・
ガチャ・・・
「うわっ!?何だビビッた。何してんだ、おまー・・・」
っ!!!
わぁあああああ〜〜〜
見られたっ
サンジに見られたぁ〜〜っ!!!
・・・つか、黙ってるし
何も言わないし
何か固まってるし
何その反応っ!?
やっぱ変だったんだぁあ〜〜っ!!!
ナミのヤツ〜〜〜〜っ
「な、何だよっ!?これはただ、ナミが面白がってやったことで、
自分でやったんじゃないからなっ!!
っていうか服!!タオル腰に巻いただけで乙女の前に出てくるなぁあっ!!」
もう何がなんだか分からなくなっては固まっているサンジを思いっきり怒鳴る。
「・・・・・」
「・・・・?」
チラッと上目でサンジを見てみても黙って自分を凝視するサンジには少し不安になった。
「サンジ・・・、顔が赤いぞ?・・・・のぼせたのか?」
そう言ってが心配そうにサンジの顔を覗き見る。
その仕草に大胆に開いた胸元がちらついてサンジは急に口を開く。
「ばっ、おま、こっち来んじゃねェっ!!」
「・・・っな、何だよ!?心配してあげたのにその言い草っ!!
もういいっ。サンジなんて知らんっ!!」
そう怒鳴るとは思いっきり頬を膨らましながら踵を返す。
その後姿を見ながらサンジはガシガシと頭を掻いた。
「ぁあ、クソっ、犯罪だろ、あれは・・・。
だからアイツは自分のこと分かってねェっつうんだ。」
あんな姿で、あんな顔で風呂場になんか現れたら
オレだって我慢出来ねェだろ?
ぁあ、もう。身体は勝手に反応示するし・・・
はぁ、・・・あのまま押し倒しときゃ良かった・・・
「「ぁあ、もう、ほんと・・・
なんて前途多難な恋でしょう」」
END
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なぜサンさんはヘタレになってしまうのでしょう?
ナゾです。
つかこれもエロの予定だったんですけど・・・
また健全になっちゃった☆
だれかエロの書き方教えてください(切実)