ゾロと屋上で何があったとか、何を言われたとか、そーいうんじゃねーんだ。
ただムシャクシャしてお互い殴り合って、
それで自己嫌悪してと距離を置いた。
それで、5分も経たずに襲い来る後悔の波。
あーおれって、悩むのって苦手だったんだよなぁ。
そーだそーだ。
苦手だった。
悩まなくたって、おれの大切な、大事な、大切な、愛しい愛しいあの存在は、
ずっと側にいてくれたんだから。
それが、自分から離れても、・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
もう、悩むのは、止めだ。
登下校G
「ぅっ、ひっくひっ・・・・うぅ」
「あ?なんだ?なーに泣いてんだよ、」
「ぅあ、あ、だ・・・って・・・ひっ」
「どっか痛ぇのか?」
「ううん・・・っ」
「・・・・・?」
「怖い・・・の」
「ん?なんだ?なにが怖いんだ?連れて来いよ!おれがぶっ飛ばしてやるぞっ」
「ぅう〜・・・無理、だよぉ」
「無理なんかじゃねぇよ!」
「・・・いくらルフィでも、無理」
「やってみなきゃわかんねぇだろー?」
「・・・・・」
「を泣かすやつは、おれが絶対ェ許さねぇ」
「・・・・・」
「お前も、メソメソ泣く前におれんとこ来いよ!
そしたら、おれが泣きたい気持ち、吹き飛ばしてやるからよ!」
「・・・・・」
「うわーーーーっなんでそんなに泣くんだよっ!?」
ルフィ。
怖いよ。
苦しいよ。
ルフィと一緒にいればいるほど、怖くなるよ。
だってね、わたし
ルフィがいなくなっちゃうのが怖いんだもん。
ジリリリリリリリリッ!
けたたましい目覚まし時計のベルがの朦朧とした頭を覚醒させる。
「ん・・・・・・」
目を覚ませば、頬が微かに濡れていた。
ゴシゴシと袖で頬を拭うと、ゆっくりと身体を起こす。
懐かしい、夢を見た。
こんな心境だから見たのかな・・・・。
5・・・・、6歳の時だったかな。
突然恐怖に侵食され、叫びだしそうなほどの不安に包まれて、なんとも言えない焦燥感に駆られた。
会いたい。会いたい。安心したい。
今すぐにでも、会いたい。
走って走って無我夢中で扉を叩いて、名前を呼んで・・・。
涙でくしゃくしゃになった私の顔を見て、驚いていたルフィの顔、今でも覚えてる。
懐かしいな。
なんであのとき、あんな気持ちになったんだろう。
ルフィが死んじゃうとか、そんな夢でも見たのだろうか。
ちっちゃいコロって、よく怖い夢見たもんなぁ。
ハッキリとした理由は覚えてないけど、あの恐怖だけはまだ覚えてる。
いつでも心の奥底に、それはあった。
ひっそりと、でも確かな存在感で、それは存在していた。
今現在も、それは存在し続けている。
でも、実際、彼から最初に距離をとったのは私の方だ。
凄く矛盾してる。
あんなに怖かったくせに、
・・・・・怖かったからこそ・・・・・?
怖かったからこそ、もうこれ以上辛くならないように、自分から・・・・・。
いくらなんコレは行き過ぎた考えかな。
多分、根拠もなく、理論も論理もなく、ただただ
ルフィが自分から離れていかないと、確固たる自信があったんだ。
打算的で、的外れの見当違い。
最低な、私。
最低最低最低。
ばかだなぁ。
ばかだなぁ。
これが恋なのかどうかは、あまりにも難解で安易なこと。
自分でも大きすぎて、当たり前すぎて、考えなくても悩まなくても、明解すぎて
気付かなかったんだ。
私がルフィのこと、好きだったってこと。
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