ヤバイことになった・・・
ヤベェ、マジでヤベェ
まさか二人っきりになっちまうとは・・・
* PROFUSE LOVE *
が女らしい格好をしたってだけで
こんなにもドギマギ(つか、むしろムラムラ)しちまうおれってホント情けねェ。
おれはぶっちゃけアイツが好きだ。
でも、今まで恋愛してきたレディ達とはわけが違うんだって。アイツは
女らしさの欠片もなくて、子供っぽい。
だからこそ放っとけないってのもあるのかもしれねェが・・・。
鈍感すぎるし、言葉も遠慮なくズケズケ言ってくる。
つーか、最初はおれだってレディ扱いしてたんだぜ?ちゃんとアピってたのにときたら
「ちゃん付けとかすんなよ、なんか落ち着かねェし・・・。あたしのことは男として扱っていいから!」
なんてぬけぬけと言いやがって!
はぁ。なんでこんなやつ好きになっちまったんだろ・・・。
そんなこと、今更言ってたってしょうがねェけど。
まぁ、恋は理屈じゃねェって言うし?
焦らずゆっくり振り向かせてやろうと思ったけどよ・・・・、
もう限界だろ・・・。普通・・・。
おれだって健康な美男子なんだし?
そりゃ好きになっちまった女が出来ればキスしたいとかそれ以上とか欲望の渦が出来始めんだろ?
しかもここは一つ船の上だぜ?
けど、当分の間アイツにはソレを望めねェ。
仮に付き合ったとしても、うまくコトを運ぶにはかなり苦労するだろうし。
だからおれは我慢して我慢してここまでやってきたんだぜ?
誰かおれを讃えてくれよ、ほんと・・・
だがしかし、そんなおれに最大のピンチがやってきた。
「町に着いたけど、これといって食料は足りてるし、
サンジ君は残って船番してくれない?」
「イエッサーっ!!」
「じゃあお願いね。もいるけど」
レディのお願いにはYESと答えるのがラブコックの習性で、
ソレはおれが息を吸って吐くというまさに生きる為の行動と一緒のようなもので。
・・・けど、コレだけは断っとくべきだった。
昨日の風呂場での出来事のせいで、今のおれの理性はブチ切れそうな状態なんだって!
まさに崖っぷち。
おれの性分からして無理矢理はイヤだ。飢えてる野獣みたいになっちまってヤるのは避けたい。
絶対優しくしてやりてェ。
それだけは心にまだ残ってんだ。
でも、今の状態でアイツの顔とか声とか聞いたら抑え効かなくなりそうだし。
今日一日、なんとしてもアイツと接触するのは避けよう。
おれがすることもなく、キッチンでタバコを吹かしていたら
暇に耐え切れなくなったのかがキッチンに顔を出した。
「ねぇ〜え、サンジぃ。つまらん!何かしよーぜ〜」
あ〜、コイツときたらホントに、人の気も知らねェで・・・っ!!!
「しよう」とか言うんじゃねェ!
「あ〜〜〜、退屈。・・・酒飲んでもいいか?」
「は?止めとけ。まだ昼間だぞ?」
「だってすることないし。」
「することねェからって酒かよ・・・。」
「悪いのかよ?」
あ、少しムッとしたな。
よしよし。このまま機嫌損ねてどっか行ってくれ!
「つかさ、お前酒癖クソ悪ィんだぜ?
いちいち後片付けするこっちの身にもなれよな」
「そ、そんなに暴れたりしてねェぞっ!?」
「記憶ないんだろ?お前」
「・・・・っ」
「・・・ふぅーっ」
おれは大袈裟に溜息をついた。
「なんかやりてェんなら人に迷惑の掛からないことにしろ」
「・・・・悪かったな」
小さくそう言うとはキッチンから出て行った。
っはぁあ〜〜
良かった。あ〜〜、危なかったぁマジで。
アイツ酒飲むと人にくっついて居たがんだよなぁ。
こんな状態でくっついてこられでもしたら、理性もたねェし。
けど、
「・・・少し言い過ぎたか・・・?」
いや、神経の図太いアイツのことだから、
おれに何言われようが傷つくなんてことはありゃしないだろうが・・・
まぁ、惚れた弱みっつうんだろうか。
おれは気になっちまって、結局様子を見ることにした。
コンコン
ドアをノックする乾いた音が廊下に響く。
「おい、何してんだ?」
すると、少し遅れて
「・・・サンジには関係ないじゃん」
というそっけない返事。
少しムッとしながらおれは
「何だよ?さっきのこと怒ってんのか?
お前案外ナイーブだったのね」
などとふざけて返事を返したが
「・・・・・」
返ってきたのは無言。
これはマジか?と少し焦りだし、
「お、おい。どうした?お前・・・、」
おれの言葉が最後まで終わることなく急にドアが開いて、
おれは思いっきり額をぶつける破目になった。
「・・っ!!?・・・・ってェっ!!」
自然に涙目になりながら、ドアを開けた主に抗議しようと、
口を開きかけたが、それは全く別の言葉となって空気を震わした。
「、どうしたっ!?」
「・・・・」
泣いて・・・んのか・・・?
「うるさい・・・」
「だって、お前、泣い・・・」
「ちがうってばっ!!」
急に大声を出す。
「・・・なんでサンジはそうなんだよ!?いつもいつもさぁ!!」
「はっ?なにがだよ!?」
「突き放したりするなら近づいてくんなっ。話掛けるな!
放っとけよ!!ばかっ!!」
「・・・なっ」
「・・・嫌いなんだろっ・・・っ?」
その時今日初めて、の目と、おれの目がぶつかり合った。
いや、昨日の晩からか・・?
そっか・・・。おれはアイツを意識しすぎて顔も見ずに、ずっと・・・
「・・・」
「ぅう〜、やだ、触わんなっ」
「・・・」
「やだ・・」
「・・・!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
初めて抱き締めたの身体は、やっぱり小さくて、細くて、
思ったより柔らかかった・・・。
ああ、まいった・・・。
胸にきた。
きっと、愛しいってこういうことを言うんだ・・・
言葉に出来ない、こういう想いを、人は愛しいって言うんだ・・・・
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・・・・多分続いちゃったりします。
た、多分、ね☆