* 夜中を焦がす熱情 *


















「っあ、ぁ、あんっ」


部屋に響きわたる、イヤらしい声と水音。

そして二人の荒い息。




ゾロの汗ばんだ熱い背中にしがみ付いて、

は小さな体でゾロを受け止めている。


ゾロの動きが早くなり、の声が一層高くなる。



「っや、ぁあっゾロ!」

っ」



何回絶頂を迎えても、ゾロはを離そうとはしない。



「ゾ・・・・、ロ」

熱っぽく自分を見つめるに、放ったばかりのそこが再び熱を持つ。


潤んだ目、濡れた唇と、白い肌に自分の付けた跡。

自然と喉が鳴る自分に苦笑しつつも、の体に手が伸びる。



「あ、待ってゾロ、もう・・・」

唇が這って、柔らかい肌に新たな跡を付ける。

「んっ」

「待てねェ」

「あっ、ん」



何度抱いても足りねェ。

もっともっと、が欲しい。



「あ、・・ゾロ・・・す、き」

「ん」

「ゾロぉ・・・」


何度も何度も確かめるようにおれを呼んで、

呼ばれる度になぜだか胸が締め付けられて。

それに答える代わりに、おれはもっと強くを抱いた。

の細い肩を抱きしめる度に、守ってやりてェなんて、ガラにもなく思って。









「ゾロっ、・・・もう、ぁあっ!」

の体が大きく反り返って、体を震わした。









流石にも疲れ果て、肩で息をしてベットに沈み込んでいる。

「・・・

「・・・・・・」



「・・・・な、に?」

首を重そうに動かして、ゾロを見上げる。

ゾロはの前髪をかき上げて、優しくおでこにキスを落とした。

「悪ぃ」

やり過ぎた。

そう言うと、は微かに微笑んで首を横に振る。

「良かったよ、ゾロ・・・」





ああ、おいちょっと待て。

ヤベェ。そんなこと言われると・・・。





「でも、もう無理」

サイですか。








それだけ言うと、の瞼は閉じられ、

どんなに揺り動かしても閉じられた瞼が開かないのは、ゾロでも容易に想像できた。







そのままの横に寝転ぶと、眠りにつく愛しい人の顔を見詰める。









そういや、こんなこと初めてだな。

いつもはおれの方が早く寝ちまって、

「星とか見て、いろんな話したかったのにぃ」だとかよく言ってたっけ。

でもその後は必ず、「ゾロの寝顔が見れたからいいけどね〜」って笑って。






「・・・・確かに」

いいもんだよな。

ポツリと呟いた言葉はには届かず、部屋に余韻を残して消えた。




























解放された瞬間に、自分を縛り付けていたモノが恋しくなる。





息が詰まるほどの窮屈な檻の中。

誰かがソレを壊してくれたとしても、

私はもう外に羽ばたくことはしない。





外に羽ばたいたときの、寂しさも苦しさも、想像以上のものだったから。


冷たいこの鉄の檻が、どれだけ暖かいモノかということを、

知ってしまったから。


















☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

初連載!やっと終わりを迎えました。

苦しくてもなんでも、それ以上にゾロが好きなのですよ!