陽は沈み、歪んだ月が一つ、二人を照らす。
いつもより速いペースで歩くルフィの後を、
必死で着いていく私。
黙ってる前方の男。
いつもと違う、嫌な感じ。
* 登下校 - C - *
「アイツ・・・・、なに?」
ルフィの言う「アイツ」とは、の予想通りゾロのことで。
このセリフから2分後。
全てを知ったルフィは、無言での横を通り過ぎた。
え?っと思って振り返ると、もうルフィの姿は小さくて。
「・・・・・・・・・」
え、なに?ルフィ無反応?
普通「おめでとー」とか言わない?いや、言わなくていいけども!
でも何か一言くらい・・・・・。
もしかして寂しかったのかなー?
行き成り私に彼氏が出来たから・・・・。
いやぁー、でもそんな年じゃないよねぇ?
うーーーーーーん・・・・。
なんだろ。
なんか、私も変。
もやもやする。
どうしてあたしは、ゾロのとのことを
すぐにルフィに伝えなかったんだろう。
どうしてルフィに問い詰められたとき、少し戸惑ったりしたんだろう。
どうして、私はこんなにも・・・・・・
「お疲れさまでしたぁ!!」
「おつかれさーん」
「暑ぅーっ。わっ、なに。急ぐの?」
「うんっ!じゃ、お先!」
なんとなく。
いつも校門の前で待ってくれるルフィが、
今日はいないんじゃないかって思った。
なんだか、そう思うと居ても立ってもいられなくて。
ルフィより先に校門に行って、彼を待とうと思った。
友達とのお喋りで、いつも遅くなる私を待つ、彼のように。
「はぁ。まだ来て、ないかな?」
何人もの生徒がを通り過ぎる。
ぼやけた月。
オレンジと黒の空。
じわじわと、夜が来る。
「遅いっ」
「わり」
誰も居ない校舎を背に、ルフィが現れて。
なぜ、こんなに遅いのか、それは聞かず。
「いいよ。いつも私が待たせてるしねっ」
ルフィの表情は見えなくて、ゆっくりと立ち上がると、既に歩き出してるルフィを軽く睨む。
なんなのーっ?この態度!!
足を前に出すことだけに集中しているかのように無言のルフィ。
ルフィの後をあくまで走らず必死について歩く。
どうして、私は・・・・
「ルフィっ!」
無言に耐えかねたの声は、出した本人が想像した以上に周囲に響いて。
「ん?」
ペースは変わらない。
「どうしたのよ?何が気に食わないわけ?」
少し強い口調で言ってみる。
だって、なんだか気分が悪い。
「ゾロと付き合ってたの黙ってたから?それは・・・・・、何だか照れくさくて、言うタイミングとかなくて、
そしたらどんどん先延ばしになったっていうか」
「・・・・・・」
「でもそんなの何でもかんでも報告するもんじゃないでしょ?
恋の話するような女友達でもないわけだしっ」
「・・・・・・」
「・・・それともゾロ自体に問題あるとか言わないよね?言っとくけど、
ゾロのこと悪く言ったらいくらルフィでも許さないか」
「あー、少し黙れよ」
「!」
なにそれ。
「はっきり、言ってよ・・・・」
あー。ここで泣くのはなんか凄く悔しい。
「・・・・・なにか、した?・・・私」
「・・・・・泣くなって」
溜息交じりのルフィの声に、軽く傷つく。
いつのまにかスピードは緩んで、のおでこのすぐ前にはルフィの背中。
「ぅ・・・・、だって、ルフィなんにも・・・っ」
「しょーがねェじゃん」
「なにがよ」
グスっと鼻をすすり上げると、ルフィの足が完全に停止する。
「アイツよりなぁ」
「は?誰?」
「ロロノア ゾロより、おれはのことがずっとずっと好きなんだからよっ」
今度はの思考が、完全に停止した。
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告・っちゃ・ったぁー。(うざ
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